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亜州茶亭へようこそ

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ニーハオ北京!紫禁城とラストエンペラー

北京のど真ん中を占める紫禁城(故宮、故宮は、元の皇帝の宮殿、という意味)。ここは、いうまでもなく歴代皇帝の住む宮殿である。といっても、北京が首都になったのは元の時代から。(日本は鎌倉時代)以後、明、清と王朝が交代し、現在、中華人民共和国のシンボルとして、世界中の観光客を集めている。

この紫禁城を一気に有名にしたのは、映画「ラスト・エンペラー」ではないだろうか。清朝最後の皇帝溥儀の、少年時代のシーンでこの紫禁城でロケが行われた。自転車に乗って疾走する少年溥儀が印象深い。

さて、この紫禁城、とても鮮やかな色で埋め尽くされている。
なんといっても、目立つのは屋根の黄色い瓦。

黄色は古代から貴い色とされ、唐代以降、皇帝の色となった。明、清では、皇帝専用の建物以外には、黄色い瓦は禁止されていた。だから、黄色い瓦屋根の建物があったら、それは、皇帝に関わりのある場所、ということ。お寺などなら、皇帝勅願の格式高いものになる。

そして、赤い壁。赤は、中国人が大好きな色。幸福、富貴を意味する、おめでたい色である。中国の伝統的な結婚式では、花嫁さんは赤い衣装を着るし、春節に赤い飾りは欠かせない。そんなわけで、宮殿にも赤がよく使われる。

黄色と赤の紫禁城のなかで、例外の建物もある。重要な本を納めた書庫の屋根は黒。黒は陰陽五行説で水をあらわし、火災を防ぐことから。
また、皇帝の子供たちの住まいの屋根は緑色。この緑色も、皇族などの屋敷にしか使えなかった特別な色の瓦である。

写真は、皇帝の日常生活の場である内廷の正門、乾清門。この門を入ると、もの凄い数の建物が連なっていて、密度の濃さに圧倒される。

地上のすべての権力を握っていた皇帝。しかし、皇帝にとって、実は、この紫禁城だけが生活のすべてだった。
自転車で外に出ようとして、門で止められてしまった溥儀少年。
映画「ラスト・エンペラー」の最後、一般人となった溥儀が、かつての自分の住まいだった紫禁城に客として入場する。自由に歩きまわれることが、どれほど幸せか。彼には、一番よくわかっていただろう。

sikinjo


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